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Japanese Living Bible Old Testament Genesis
モーセの五書
旧約聖書の初めから五冊目までを指す名称で、旧約聖書の中心的部分を占めています。ほ
かに「法律の書」とも呼ばれます。神様はイスラエル民族を選び、彼らをとおして、全世
界に祝福をもたらすことを約束なさいました。具体的には、「法律」を授けて守るように教
え、イスラエルが法律に背けば彼らを罰し、神様の国民としての任務を果たせるよう、教
育されたのです。以上の経過を、この五書から知ることができます。
創世記
本書は、だれもが一度は思いめぐらす天地創造と人類の初めについて、科学用語を使わず、
人が目で見るような、素朴なことばで記されています。 さらに、罪の起源や、その罪に
よって人々が滅ぶことのないようにと、神様が用意された計画について、説明されていま
す。 また、アブラハムを先祖とするヘブル民族の始まりと、イサク、ヤコブからその息
子たちの歴史に及び、エジプトに行ったヨセフの物語で終わっています。
1 まだ何もない時、神様は天と地をお造りになりました。 2地球はまだ形が定まらず
やみにおおわれた氷の上を、さらに神様の霊がおおっていました。
3 「光よ、輝け」と神様が命じました。 すると光がさっと輝いたのです。 45それ
を見て、神様は大いに満足し、光とやみとを区別しました。 しばらくのあいだ光はその
まま輝き続け、やがて、もう一度やみに閉ざされました。 神様は光を「昼」、やみを「夜」
と名づけました。 昼と夜ができて、一日目は終わりです。
6 「ガスは上下に分かれ、空と海になれ」と、神様が命じました。78そのとおり水蒸
気が二つに分かれ、空ができました。 これで二日目も終わりです。
910「空の下の水は集まって海となり、かわいた地が現われよ。」 こう神様が命じると、
そのとおりになりました。 神様はかわいた地を「陸地」、水の部分を「海」と名づけまし
た。 そのできばえに満足すると、 1112神様はまた命じました。 「陸地には、あ
らゆる種類の草、種のある植物、実のなる木が生えよ。 それぞれの種から同じ種類の草
や木が生えるようにするのだ。」 そのとおりになり、神様は心から満足なさいました。 1
3三日目はこれで全部です。
1415神様の命令はさらに続きます。 「空に光が輝き、地を照らせ。その光で、昼と
夜の区別、季節の変化、一日や一年の区切りをつけるのだ。」 そのとおりになりました。
16こうして、地を照らす太陽と月ができました。 太陽は月よりも大きく明るいので昼
を、月は夜を受け持ちます。 この二つのほかにも、無数の星が造られました。17神様
はそれをみな空にちりばめ、地を照らさせたのです。 18こうして昼と夜の分担を決め、
光とやみとを区別し終えると、神様は満足なさいました。 19ここまでが四日目の出来
事です。
20 神様はまた命じました。 「海は魚やその他の生き物であふれ、空はあらゆる種類
の鳥でいっぱいになれ。」 2122神様は海に住む大きな哺乳動物をはじめ、あらゆる種
類の魚と鳥を造りました。 みなすばらしいものばかりです。 神様はそれを見て、「海い
っぱいにあふれるようになれ。 地をおおうまでに増えよ」と祝福なさいました。 23
五日目はこれで終わりです。
24 次に神様は命じました。 「地は、家畜、爬虫類、野獣など、あらゆる種類の動物
を生み出せ。」 そのとおりになりました。 25神様が造った動物は、どれもこれも満足
のいくものばかりでした。
26 そして最後に、神様はこう言いました。 「さあ、人間を造ろう。 地と空と海の
あらゆる生き物を支配させるために、われわれに最も近い、われわれに似た人間を造ろう。」
27 このように、人間は、天地を造った神様に似た者として造られました。
神様はご自分に似せて人間を造り、
男と女とに造ったのです。
28神様は人間を祝福なさいました。 「地に増え広がり、大地を支配せよ。 おまえた
ちは、魚と鳥とすべての動物の主人なのだ。 29全地に生える種のある植物を見るがい
い。 みなおまえたちのものだ。実のなる木もまたおまえたちに与えるから、好きなよう
に食べるがいい。 30また、動物や鳥にも、あらゆる草と植物をえさとして与える。」 3
1神様はでき上がった世界を隅から隅まで見渡しましたが、どこから見ても非の打ちどこ
ろがありません。 こうして六日目も終わりました。
1 ついに全世界は完全にでき上がりました。 2何もかも造り終えると、神様は七日目
には仕事を休み、 3この日を祝福して、聖なる日と定めました。 この日に天地創造の
働きが完了したからです。
4 ところで、神様が全世界を造った時のいきさつは、次のとおりです。
5 初めのうち、地には穀物はおろか、一本の植物さえ生えていませんでした。 神様が
雨を降らせなかったからです。 それに、土地を耕す人もいませんでした。 6しかし、
地のあちこちから泉がわき出て、全地を潤していました。
7 やがて神様が人間を造る時がきました。 まず、地のちりで体を造り上げ、それにい
のちの息を吹き込んだのです。 そこで人は、生きた人格をもつ者となりました。
8 それから神様は、東の方のエデンに園をつくり、そこに人を住まわせました。 9園
には、あらゆる種類の美しい木が植えられています。 どれもこれも、おいしい実をつけ
る木ばかりです。 園の中央には、「いのちの木」と、善悪を判断する力のつく「良心の木」
とがありました。 10さて、エデンの地からは一つの川が流れ出て園を潤し、それはや
がて四つの流れに分かれるのでした。 1112その一つピション川は、ハビラ地方全域
を蛇行していました。 その地方からは、純度の高い金と美しいブドラフ(香りのよい樹
脂を出す木)や、しまめのうが採れます。 13第二の川はギホンと呼ばれ、クシュの全
域を流れる川です。 14第三がティグリス川で、アシュルの町の東側を流れていました。
そして第四がユーフラテス川です。
15 神様は、人をエデンの園の番人にし、その管理を任せました。1617ただし、一
つだけきびしい注意がありました。 「園の果物はどれでも食べてかまわない。 だが『良
心の木』の実だけは絶対にいけない。 それを食べると、正しいこととまちがったこと、
よいことと悪いことの区別について、自分勝手な判断を下すようになるからだ。そんなこ
とになったら、必ず死ぬ。」
18 ところで、神様はこう考えました。 「どうも人が一人でいるのはよくない。 彼
を助ける者がいなくては。」 1920そこで、土からあらゆる種類の動物と鳥を造り、ア
ダムのところへ連れて来て、名前をつけさせました。 それぞれみな、アダムがつけたと
おりの名前をもらいましたが、アダムの助けになるようなものは見あたりません。21そ
こでアダムをぐっすり眠らせ、その体から肋骨を一本取り出すことにしました。 取った
あとをきちんとふさぐと、 22その骨で女を造り、彼のところへ連れて来ました。
23 「ああ、これならぴったりです!」 アダムは思わず叫びました。 「まさに私の
半身です。 そうだ、『男』から造ったのだから、『女』と呼ぶことにしますよ(一種の語
呂合わせ。ヘブル語では男をイーシュ、女をイシャーと言う)。」 24人が両親のもとを
離れて妻と結ばれ、二人が一体となるのは、こうした背景があるからです。 25ところ
で、この時にはまだ、二人とも裸でした。 それでも別に気まずい思いもせず、恥ずかし
くもありませんでした。
1 さて、神様が造ったものの中で、蛇が一番ずる賢い動物でした。蛇は女に、ことば巧
みに話をもちかけました。 「ほんとうにそのとおりなんですかねえ? いえね、ほかで
もない、園の果物はどれも食べちゃいけないって話ですよ。 なんでも神様は、これっぽ
っちも食べちゃいけないと言ったっていうじゃないですか。」
23「そんなことないわ。 食べるのはちっともかまわないのよ。ただね、園の中央にあ
る木の実だけは、食べちゃいけないの。 そればかりか、さわってもいけないんですって。
さもないと、死んでしまうって、神様がおっしゃったわ。」
4 「へえーっ、でも、そいつは嘘っぱちですぜ。 死ぬだなんて、でたらめもいいとこ
ろだ。 5神様も意地が悪いね。 その実を食べたら、善と悪の見わけがつき、神様のよ
うになっちまうもんだから、脅しをかけるなんてさ。」
6 言われてみれば、そう思えないこともありません。 それに、その実はとてもきれい
で、おいしそうなのです。「あれを食べたら、何でもよくわかるようになるんだわ。」 そ
う思いながら見ていると、もう矢も盾もたまらなくなり、とうとう実をもいで、食べてし
まいました。 ちょうどそばにいたアダムにも分けてやり、いっしょに食べたのです。 7
はっと気がついたら、二人とも裸ではありませんか。 急に恥ずかしくてたまらなくなり
ました。 何とかしなければなりません。 間に合わせに、いちじくの葉をつなぎ合わせ、
腰の回りをおおいました。
8 その日の夕方のことです。 神様が園の中を歩いておられる気配がしたので、二人は
あわてて木陰に隠れました。 9神様の呼ぶ声が聞こえます。 「アダム、なぜ隠れるの
だ。」
10 「神様がおいでになるのに裸だったからです。 こんな姿はお見せできません。」
11 「なにっ、裸だということを、いったいだれが教えた? さては、あれほど食べる
なと言ったのに、あの木の実を食べたのだな。」
12 「は、はい。 で、でも、神様が下さった女がくれたもんで、つい……。」
13 そこで神様は女に尋ねました。 「いったいどうして、こんなことをしたのだね。」
「蛇、蛇がいけないのです。 私はただ、だまされただけです。」
14 それを聞いて、神様は蛇に言い渡しました。 「悪いやつめ、そんなことをした罰
だ。 いいか、あらゆる家畜、野生の動物の中で、おまえだけがのろわれるのだ。 生き
ている間ちりの中をはいつくばうがいい。 15以後おまえと女はかたき同士、おまえの
子孫と女の子孫も同じだ。 女はおまえを恐れるだろう。 子孫同士も、互いに相手をこ
わがるようになる。 おまえは彼のかかとにかみついて傷を負わせるが、結局は彼に頭を
踏み砕かれてしまうのだ。」
16 次は女の番です。 「おまえは苦しみ抜いて子供を産む。 それでもなお、ひたす
ら夫の愛を求め、彼についていく。」
17 最後はアダムです。「あれほど食べてはいけないと言ったのに、おまえは食べた。
わたしよりも、妻の言うことを聞いたのだ。 そのため土地はのろわれる。 生きるため
には、一生あくせく働かなければならない。 18土地には、いばらとあざみが生え、お
まえは野草を食べる。 19死ぬまで汗水流して土地を耕し、働いて糧を得なければなら
ない。 そしてついに死に、また土に帰る。 土から造られたのだから、また土に帰る。」
20 アダムは妻をエバ〔「いのちを与える者」の意〕と呼びました。 彼女は全人類の母
となるからです。 21神様はアダムと妻エバに、動物の皮で作った服を着せました。
22 それからこう考えました。 「人間は、われわれと同じように、善悪の区別がわか
るようになってしまった。 この先、万一『いのちの木』にまで手を出し、永遠に生きる
ようにでもなったら大へんだ。」23そうならないうちに、手を打たなければなりません。
結局、人をエデンの園から永久に追放し、土地を耕させることに決めました。24こうし
て人を追放すると、エデンの園の東に炎の剣を置き、力ある天使とともにいのちの木を守
らせました。
1 そののち、アダムは妻エバと交わり、エバはカイン〔「私は得た」の意〕を産みました。
この名がついたのは、エバが「神様のおかげでこの子ができたのだわ」と言ったからです。
2続いてエバは、弟のアベルを産みました。
やがて、カインは農夫になり、アベルは羊飼いになりました。3収穫の時になると、カイ
ンは作物の中から神様に供え物をささげました。 4アベルは一番いい子羊の最上の肉を、
自分で神様にささげました。 神様はアベルのささげ物を受け取りましたが、 5カイン
のは受け取りません。 カインはがっかりするやら腹が立つやらで顔をしかめました。
6 神様はそれを見とがめ、「なぜ腹を立てるのだ」と質しました。 「何が気に入らない
で、そんなに腹を立て、しかめっ面をしているのだ。 7やるべき事をきちんとやってさ
えいれば、顔は喜びで輝くものだ。 もし、わたしの言うことが聞けないなら、気をつけ
るのだな。おまえを滅ぼそうと、罪が待ちかまえているぞ。 だが、その力を抑えること
はできるはずだ。」
8 ある日、カインは、「野原へ行かないか」と弟をさそいました。 そして、野原で不意
に襲いかかり、殺してしまったのです。
9 そのことがあってから、神様はカインに尋ねました。 「弟はどこにいる? アベル
はどうしたのだ。」
「そんなこと、なぜおれが知ってなきゃいけないんです? 弟の行く先をいつも見張れと
でもおっしゃるんですか。」
10 「おまえの弟の血が大地からわたしを呼んでいる。 全く大それたことをしでかし
てくれたものだ。 11弟の血で大地を汚すとは、なんということだ。 おまえはもう、
ここには住めない。 追放だ。12これからは、いくら汗水流して働いても、大地はおま
えのために作物を実らせない。 この先おまえは放浪者となり、当てもなくさすらい歩く
のだ。」
13 「そんな罰は重すぎて、とても負いきれません。 14農場からも追い出され、神
様の前からも追っ払われて、放浪者に落ちぶれるなんて。 おれを見たら、どんなやつだ
って殺そうとするに決まってます。」
15 「心配するな。 おまえを殺させたりはしない。 そんなことをしでかす者には、
おまえの受けた罰の七倍の仕返しをしてやろう。」こう約束すると、神様はだれにも殺され
ないように、カインに一つのしるしをつけました。 16こうして、カインは神様のもと
を去り、エデンの東、ノデの地に住みついたのです。
17 そのあと、カインの妻は男の子を産みました。 それがエノクです。 その時、カ
インは町を建てていたので、子供の名にちなんで、町の名もエノクとしました。
18 エノクはイラデの父
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