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Japanese Living Bible Philippians
ピリピ人への手紙(ピリピ教会の皆さんへ)
ピリピは、今のギリシヤの北部にあり、ローマの植民都市として栄えた町でした。 ここ
はまた、パウロにとっても思い出深い町で、彼がヨーロッパに最初の教会をつくったのも
この町でした。 それも、捕らえられ、むちで打たれながらつくったのです。 それにこ
たえて、ピリピ教会のクリスチャンも、パウロのために献身的に尽くし、彼の経済的必要
を満たしたこともしばしばでした。 その教会に、パウロは、キリストを信じる者の喜び
を、真実こめて語ります。
1キリスト・イエスの奴隷であるパウロとテモテから、ピリピの町にいる牧師と執事たち、
およびクリスチャンの皆さんへ。
2どうか、神様の祝福があなたがた一同にありますように。 父なる神と主イエス・キリ
ストが、一人一人を、あふれるばかり祝福し、心にも生活にも、平安を満たしてください
ますように。 3あなたがたを思う私の祈りは、いつも神様への賛美にあふれています。
4そして、私の心は喜びに満たされるのです。 5それは、あなたがたが、キリスト様に
ついての良い知らせを、初めて聞いた日から今日まで、全力をあげて、その知らせを宣べ
伝える働きに協力してくれたからです。 6あなたがたの内面に良い働きを始めた神様は、
引き続き、必ずそれを恵みのうちに成長させ、やがてキリスト・イエスが帰って来られる
日に、ついに完成してくださると、私は堅く信じています。
7こう考えるのも、きわめて当然です。 あなたがたは、私にとって特別な存在なのです
から。 私が獄中にある時も、自由の身で真理を弁明し、キリスト様のことを語っている
時も、あなたがたは、私と共に神様の祝福をいただいたのです。 8私がキリスト・イエ
スのやさしさをもって、どんなに深くあなたがたを愛し、慕っているかをご存じなのは神
様だけです。 9私はこう祈っています。 どうか、あなたがたの他の人々への愛が、も
っともっと満ちあふれますように。 同時に、霊的な知識と洞察力も、さらに深められま
すように。 10それは、あなたがたに、善悪をはっきり見分ける力がいつも備わり、主
が来られる日までずっと、だれからも非難されることなく、心がきよく保たれるよう、願
うからです。 11どうか、常に神の子供にふさわしく、親切な良い行ないができますよ
うに。 それは、大いに主をほめたたえ、主の栄光を現わすことになるのです。
12愛する皆さん。 このことは、わきまえていてほしいものです。 つまり、ここで私
の身に起こることはすべて、キリスト様についての良い知らせを広めるのに、たいへん役
立っているという事実です。 13周囲の人たちはみな、兵営の兵士に至るまで、私が、
ただクリスチャンであるというだけの理由で投獄されていることを、知っているからです。
14また、私を見て、ここにいる多くのクリスチャンは、投獄など恐れなくなりました。
ともかく、彼らは耐え忍んでいる私の姿に勇気づけられ、ますます大胆に、キリスト様の
ことを人々に語るようになったのです。
15もっとも、中には、神様が私をこのように役立ててくださるのをねたんで、この良い
知らせを宣べ伝えている人もいます。 彼らは、勇敢な伝道者という名声がほしいのです。
しかしこのほか、もっと純粋な動機から伝道している人もいます。 16私を愛する気持
ちから、そうしているのです。 つまり、私をこのような状況下におかれた主の目的が、
真理を弁明させる点にあることを知っているからです。 17ところが、別の人たちは、
自分たちの成功によって、獄中にある私の苦痛がもっと増すだろうと考えて、つまり、私
にねたませようとして、伝道しているのです。 18しかし、どのような動機からであれ、
キリスト様についての良い知らせが宣べ伝えられるのは事実であり、私は喜んでいます。
19これからも喜び続けるでしょう。 なぜなら、あなたがたの祈りや、聖霊様の助けに
よって、このことがすべて私に益となることが、わかっているからです。 20というの
も、私は、次のような熱心な期待と希望とをいだいて生きているからです。 すなわち、
自分で恥じるようなことは一つもせず、かえって、この試練の時も、今まで同様、常にキ
リスト様のために、大胆に語り、また、生きるにしても、死ぬにしても、いつもキリスト
様のすばらしさを身をもって現わしたい、と思っているのです。 21なぜなら、私にと
って、生きることは、キリスト様のために良い機会を得たことを意味し、死ぬことは、さ
らにすばらしいことを意味するからです。 22しかし、生きているからこそ、人々をキ
リスト様に導く機会に恵まれるとすれば、生と死のどちらがよいのか、ほんとうはわかり
ません。 23ある時は生きていたいと思い、また、ある時には反対の気持ちになります。
というのも、この世を去ってキリスト様のそばにいることほど、願わしいことはないから
です。 そのほうが、地上にとどまっているより、どれだけ幸せかわかりません。 24
しかし、地上では、もっとあなたがたの役に立てることも事実です。
25そうです。 私にはまだ、この世で生きる使命があるのです。 それで、あなたがた
の信仰の成長を助け、もっと喜びにあふれさせるために、きっと、もうしばらくの間、地
上に長らえることになるでしょう。 26私が生き延びて、もう一度そちらに行った時、
あなたがたのうちに喜びがわき上がり、私を無事に守ってくださったイエス・キリストを、
心から賛美するようになるのです。
27しかし、たとい私の身にどんなことが降りかかろうと、あなたがたは、いつもクリス
チャンらしく生活するよう心がけてください。 そうすれば、もう一度会えるにしても、
会えないにしても、あなたがたについて、いつでもうれしい報告を聞けるでしょうから。
つまり、あなたがたが、キリスト様の良い知らせを宣べ伝えるという、一つの目標に向か
って、しっかり協力して立っており、 28敵対する者たちのどんなしわざにも、たじろ
ぐことがないと。 実際、このことは、彼らの滅びを暗示するのですが、あなたがたにと
っては、神様が共にいて、永遠のいのちを与えてくださることの、確かな証拠となります。
29あなたがたは、ただキリスト様を信じるだけでなく、キリスト様のために苦しむとい
う特権をも与えられているのです。 30私たちは、共に戦っているのです。 あなたが
たは、先にキリスト様のために苦しんでいる私の姿を見ました。 そして、今なお、激し
く大きな戦いの真っただ中にいる私のことを、よく知っているはずです。
1あなたがたの間には、クリスチャンとして互いに励まし合う気持ちが、少しでもありま
すか。 私を助けたいと思うほどの愛がありますか。 私たちは同じ御霊様を共にいただ
いており、主にあって互いに兄弟であるということの、ほんとうの意味がわかっているで
しょうか。 やさしい心と思いやりが、少しでもあるでしょうか。 2もしそうなら、互
いに愛し合い、心からうちとけ合い、心と思いと目的とを一つにして共に働き、私を心か
ら喜ばせてください。
3自己中心的になったり、見栄を張ったりしてはいけません。 謙そんになって、他の人
を自分よりもすぐれた者とみなしなさい。 4身の回りのことばかりに、とらわれるので
はなく、他人にも目を向け、その行動にも関心を持ちなさい。
5私たちに対するキリスト・イエスの態度を、見ならいなさい。 6キリスト様は神様な
のに、神様としての権利を要求したり、それに執着したりはなさいませんでした。 7か
えって、その偉大な力と栄光を捨てて、奴隷の姿をとり、人間と同じになられました。 8
そればかりか、さらに自分を低くし、まさに犯罪人同様、十字架上で死なれたのです。
9しかし、それだからこそ、神様はキリスト様を高く天に引き上げ、最高の名をお与えに
なりました。 10それは、そのお名前のもとに、すべてのものが天でも地上でも地下で
もひざまずき、 11すべての口が「イエス・キリストは主です」と告白して、父なる神
がほめたたえられるためです。
12心から愛する皆さん。 私がそちらにいた時、あなたがたはいつも、私の教えに細心
の注意をはらって従ってくれました。 離れている今はなおさら、注意深く善行に励んで
ください。 救われているのなら、当然そうすべきなのです。 深い尊敬の思いをこめて
神様に従い、神様をお喜ばせできないことからは手を引きなさい。 13神様は人の心に
働きかけて、従おうとする思いを起こさせ、神様が望まれる行ないができるよう、助けて
くださるのです。
14何事においても、不平を言ったり、理屈をこねてはいけません。 1516だれから
も非難されないためです。 心の曲がった頑固な人がひしめいている暗い世の中で、あな
たがたは、神様の子供として、汚れのない、きよらかな生活を送らなければなりません。
世の人々の間で、いのちのことばを高く掲げ、燈台のように輝きなさい。
そうすれば、キリスト様が帰って来られる時、私は、あなたがたに対する労苦がむだでな
かったことを知り、どんなに喜ぶことでしょう。 17あなたがたの信仰を、供え物とし
て神様にささげる時、その上に、たとい私の血を注がなければならないとしても――あな
たがたのために、いのちを捨てなければならないとしても――私はうれしいのです。 そ
して、あなたがた一人一人にも、この喜びを分けてあげたいのです。 18このことは、
当然、あなたがたにとっても喜びなのですから。 私があなたがたのために、いのちを捨
てる特権を持っていることを、共に喜んでください。
19主のお許しがありしだい、テモテをそちらへやりたいと思っています。 そうなれば、
彼から、あなたがたのことや、そちらの様子を報告してもらい、元気づけられると期待し
ています。 20テモテほど親身になって、あなたがたのことを心配している人はいませ
ん。 21ほかの人はみな、自分の計画に心を奪われ、キリスト・イエスのことなど気に
かけていないようです。 22しかし、テモテは違います。 よくご存じのとおり、まる
で私の息子のように、キリスト様の良い知らせを宣べ伝えるのを助けてくれました。 2
3それで、ここでの私の取り扱いがどうなるかわかりしだい、テモテを行かせるつもりで
す。 24私も、近いうちに主がそちらを訪ねさせてくださる、と確信しています。
25それはさておき、エパフロデトを、あなたがたのもとに帰さなければ、と考えていま
す。 よくぞ、困っていた私を助けるために、エパフロデトをよこしてくれました。 ま
ことに、彼と私は、血を分けた兄弟のように、手を取り合って働き、戦ってきました。 2
6いま彼に、そちらへ帰ってもらいます。 彼は、あなたがた一同のことを思ってホーム
シックにかかっており、その上、自分の病気のことがそちらに知れたのを、ひどく気にし
ているからです。 27病気のことは、ほんとうです。 実際、危うく、いのちを落とす
ところでした。 しかし神様は、エパフロデトをあわれんでくださったのです。 それは、
もうこれ以上、悲しみが重ならないようにとの、私へのあわれみでもありました。
28それで、エパフロデトを帰してやりたいと、心から願っています。 あなたがたが彼
に会って感謝にあふれる姿が、目に浮かぶからです。 それは私にもうれしいことですし、
心配も軽くなります。 29どうか喜びにあふれ、主にあって迎えてやってください。 ま
た、その労をねぎらい、感謝の気持ちを表わしてください。 30なぜなら、彼はいのち
がけでキリスト様のために働き、今にも死にそうな目に会ったからです。 彼は離れてい
るあなたがたに代わって、私に尽くしてくれたのです。
1愛する皆さん。 どんなことが起ころうと、主にあって喜びなさい。 こう何度も言い
ますが、それを私は、別にわずらわしくは思いませんし、あなたがたも聞かされたほうが
いいのです。
2救われるためには割礼(男子の生殖器の包皮を切り取る儀式)を受ける必要があると教
える、あの悪い連中を警戒してください。 危険な犬ですから。 3肉体の一部を切り取
りさえすれば、神様の子供になれるのではありません。 霊をもって神様を礼拝する者こ
そ、神様の子供なのです。 その礼拝こそが、ただ一つの真の「割礼」です。 クリスチ
ャンの誇れることと言ったら、キリスト・イエスが成し遂げてくださったわざだけです。
自分で自分を救うことなどとてもできないと、よく知っているはずです。
4しかし、万一、自分を救える見込みがある人間をあげるとしたら、それは私だ、と言っ
てもいいでしょう。 もし、人間的に見て救われる人がいるとしたら、私には、確かにそ
の可能性があります。 5生粋のユダヤ人として、由緒あるベニヤミンの家系に生まれた
私は、八日目に、ユダヤ人のしるしとしての儀式である、割礼を受けました。 つまり、
だれにも引けを取らない、正真正銘のユダヤ人です。 その上、ユダヤ教のおきてや習慣
のすべてを守る点にかけては、最もきびしいパリサイ派に属していました。 6熱心さの
点ではどうだったかと言うと、もちろん、熱心なあまり、教会を激しく迫害したほどです。
そして、ユダヤ教のささいな規則や規定にも徹底的に従おうと、懸命に努力しました。
7しかし、以前、非常に価値があると思っていたこれらのものを、今ではことごとく捨て
てしまいました。 それは、ただキリスト様だけに信頼し、キリスト様だけに望みをかけ
るためです。 8そうです。 主であるキリスト・イエスを知っているという、途方もな
くすばらしい特権と比べれば、ほかのものはみな、色あせて見えるのです。 私は、キリ
スト様以外のものは、がらくた同然にみなし、全部捨ててしまいました。 それは、キリ
スト様を自分のものとするためであり、 9また、もはや、良い人間になろうとか、おき
てに従って救われようとか考えるのはやめて、ただキリスト様を信じることによって救わ
れ、キリスト様と結ばれるためです。 神様が、私たちを正しい者と認めてくださるのは、
信仰――ただキリスト様だけに頼ること――を持っているかどうかで、決まるからです。
10私は今、ほかのことはいっさい考えず、ただこのことだけを求めています。 つまり、
真にキリスト様を知ること、キリスト様を復活させた超自然的な力を、身をもって体験す
ること、そして、キリスト様と共に苦しみ、また死ぬとは、どういうことかを知ることで
す。 11死人の中から復活した者特有の、生き生きとした新しいいのちに生きる者とな
るためには、どんな犠牲もいといません。
12なにも、自分が完全な人間だ、などと主張するつもりはありません。 学ぶべきこと
も、まだたくさん残っています。 ただ、キリスト様が何のために救ってくださったかを
知り、私に与えられている目標に到達する日を目指して、努力しているのです。
13愛する皆さん。 私は、まだその目標に達してはいません。 ただこの一事に、全力
を注いでいます。 すなわち、過去に執着せず、前にあるものを望み見、 14ゴールに
到着してほうびを得るために、一生懸命努力しているのです。 このほうびを与えようと、
神様は、私たちを天へと召しておられます。 それは、キリスト・イエスが成し遂げてく
ださったことに基づくのです。
15私は、一人前のクリスチャンである、あなたがたがみな、この点について、私と同じ
考え方をするようにと願います。 もし何かの点でこの考え方からはずれているなら、神
様はきっと指摘してくださるでしょう。――16もちろん、あなたがたが、与えられた真
理に完全に従っているならば、の話です。
17愛する皆さん。 どうか私の生き方を見ならってください。 また、私を手本として
生きている人たちに目をとめてください。 18というのは、今までも、しばしば注意し
てきたことですし、今また、涙ながらに訴えたいのですが、クリスチャンとして歩みなが
ら、実はキリスト様の十字架に敵対している者が大ぜいいるからです。 19彼らの行き
着く先は永遠の滅びです。 自分の欲望を神とし、ほんとうは恥じるべきことを誇ってい
るからです。 頭は、この地上の生活のことでいっぱいになっています。 20しかし、
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